逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

金のなる木

3日ほど前に、突然脳内で展開されたストーリー。




A「やあやあ、久しぶり。最近どうだね。」
B「本当に久しぶりだなあ。どうってことないよ。会社は退職したけど、それ以外は特に変わってないよ。」
A「そっか。俺はちょっと痩せたかな。もう歳だ。」
B「ところでどうしてうちに?」
A「こっちで葬式があって。ふと思い出して寄ってみた。」
B「それはそれは」
A「ところで、アレ、まだ健在か?」
B「アレ?ああ、あれか。あるよ。見るかい?」


A「ずいぶん立派になったもんだなあ。」
B「もう20年になるか。んー、そうだな、来月で20年だな。」
A「これだけになれば相当なものだろう。月いくらくらいになるんだ。」
B「先月は120万くらいなったよ。」
A「そりゃすごい。随分といい暮らしをしてるんだろう。」
B「見ればわかるだろ。家も昔のまま、そこの車も10年乗ってる。」
A「じゃあなんだ、よほどいいものでも食ってるのか、それとも競馬か、お前好きだったもんな。」
B「とんでもない。赤字なんだよ。年金と退職金を切り崩して生活してる。」
A「またまた」
B「税金が馬鹿にならないんだ。毎年値上がりしてる。」
A「それでも赤字ってことはないだろう。」
B「いくら取れたかなんて税務署はいちいち数えてないんだよ。買ったころは年10万くらいの税金だったが、まともに取れるようになるまで10年はかかったよ。その間は赤字だろ。しかも成長とともに税金が高くなるんだ。それに加えて増税されて、いま1本で月150万だよ。1年で1800万。いつか元が取れると思ってここまで育ててきたけど、もう諦めた。」
A「じゃあ切ってしまえばいいじゃないか。」
B「俺だってこんな木は早く切ってしまいたいんだけど、根がすごくて。」
A「別に根がすごくたってまた生えてくるわけじゃないだろう。」
B「違うんだ、切ると埋蔵金扱いになって税金がかかるんだよ。これだけ大きくなると2000万はかかるって言われた。」
A「そんなに。」
B「このまま残しておくと相続税もかかる。」
A「それなら、相続放棄すればいいじゃないか。」
B「家を手放すわけにはいかないだろう。息子ももう40過ぎて、孫も大きくなって。」
A「それもそうだ。なにか妙案はないものかな。」
B「あったら教えてくれよ」


B「全く、金のなる木なんか買わなきゃよかった。」