逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

人類の抱える諸問題の1つに関する経験的新事実

これは,全人類にとって有用な知識である。否,人類の英知と呼べるものかもしれない。いや,もっと適切な表現が人類数千年の歴史のなかで紡ぎ出されてきたと確信するのであるが,直ちに思いつかない,あるいはそもそも私が目にしたことがないためにこの程度の表現しかできないのだろう。文学及び修辞学を専攻としてこなかったことを今日ほど後悔したことはない。あるいは,幼少期より高度な文学にもっと触れてくるべきであったと悔いるよりほかはないだろう。

さて私はこの驚くべき新事実について,ここに公開したいと思う。それは,学術界がその成果を全世界にできるだけ無償で提供しようとするのと同じであり,それはこの事実がある特定の文化,地域に依存するものではなく,全地球的全人類的に普遍的なものであると信じてやまないからである。

この事実はあまりにも斬新で衝撃的であるため,これを見聞きすることによって,やり場のない怒り,とめどない悲しみ,尽きぬ後悔の念,あるいは空虚な気持ちが込み上げてくるかもしれない。または,これを少しでも思索することによって,これまでひとりの人間の根底に築き上げられてきた価値観,倫理観,人生観を覆すことになるかもしれないし,あるいはもっと身近な水準で,生活習慣や行動規範が変わってしまうかもしれない。そしてその結果,様々な良いこと悪いことが起こるかもしれない。

かくいう私も,この事実に気付いてから,頭が真っ白になり,何も考えられなくなり,何かに手をつけることもできなくなり,2日間という時間を無駄にしてしまったのである。この事実を伝えなければというある種の信念が,この期間を3日にすることをかろうじて防いだのである。

さて,本題に入る前に心の準備も必要であることは私でも容易に察しがつくので,いくつか質問に答えておきたい。

Q. その事実は,自然科学に関することか。
A. これは難しい質問である。一口に言えば,時間の不可逆性に関係しているが,物理学や哲学が扱ってきたかもしれない領域であり,自然科学に関すると言えば関するのであるが,それ以外の分野に属さない訳ではない,というのが親切で的を射た回答であろう。ここで学際的であるかどうかという質問が出ることは明らかなので,先に答えておきたい。これもまた難問である。学際的,interdisciplinaryであるということは,少なくとも2つのdisciplinaryを規定しなければならない。ただ,残念ながら,これまで6年以上にわたって高等教育や研究教育を受けてきたが,不勉強の故,1つの領域すらも今回の事実に対して定めることができない。従って現時点では,学際的というよりも無際的,non-disciplinaryである。Non-disciplinaryという言葉については,Scienceにコーナーがあるのでこれを読んでもらいたい。

Q. その事実に対して,政府または公的機関が何らかの対処を行うことになるだろうか。
A. 今回の事実は,実は社会的側面も十分に大きいのである。先の質問で物理学や哲学の領域かもしれないと述べたが,これはあくまで一面的な見方であり,またある面から見てみると,行政府の問題,とくに地方自治に関する問題を孕んでいるのである。それゆえ,もしこの事実に対して何らかの対処をしなければならないのであれば,行政府が第一に動くことになると考えている。

Q. その事実は,環境問題と関係あるか。
A. 物理学や行政学なども出てきて,いよいよ訳が分からなくなってきているところに申し訳ないのだが,答えはYESである。地球環境という大規模な問題に対しても,生活環境という小規模な問題に対しても,今回の事実は明確に関わりを持っている。現在我々の住む地球には,地球温暖化(これ自体は諸説あるようだが),大気汚染,水質汚染,生態系の変化など様々な環境問題があるが,経済的な利益と相反することが多いために多くの不作為を生んできたのは,誠に残念なことである。1つ良い知らせがある。今回の事実によって,環境が悪化することはない。ないと信じている。

さて,おぼろげながら事実の輪郭が見えてきただろうか。恐らく答えはNOである。いくつかの具体的な質問に答えたが,未だ全貌はつかめないし,一端すら見ることはできていないだろう。これ以上の準備時間を取ったところで,受けるであろう衝撃が和らぐことはないので,ここにその新事実を述べたいと思う。


事実:ゴミの収集日に部屋の掃除をするとゴミを捨てられない。