逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

COLING2018

COLING2018に参加してきた(ワークショップも含む)。

2年前にCOLING2016に参加している(記事)が,そこにCOLINGの説明があるので,COLINGが何であるかについては述べない。


人生2回目の飛行機にして,人生2回目の海外であった。1回目はやはり去年の夏に行った国際会議であり,どうやら旅行目的で海外に行くことは今後もなさそうである。

東大に入学するときに,親から「大学生になったら海外に行くこともあるかもしれないけど,危ないので一人で行ってはいけないよ」と言われていたのだが,結局人生初の海外も一人であった。
飛行機にも乗ったことがなかったので,飛行機が飛ぶということに感動したのが去年の思い出である。


さて,今回のCOLINGの開催地は,アメリカ,ニューメキシコ州サンタフェという街であった。聞いたことがなかった。

国際会議の参加記録を書いても面白くないし,アメリカという国,サンタフェという街については海外経験豊富な人がいくらでもブログを書いているので,僕にしか書けない「感想」を書きたい。

事前知識があったこと

決済のはなし

クレジットカード社会は本当だった(実際にはデビットカードなんじゃないか)。レストランでの会計の仕方も事前知識通りであった。そして,JCBカードは全く使えなかった。JCBのステッカーが貼ってあるカフェでも断られた。アメリカンエキスプレスはほぼどこでも使えた。VISA/MASTERは言うまでもない。
チップを支払うために細かいドル紙幣が欲しい(1ドル紙幣は10枚だけ持っていった)と思って,朝食の時に,10ドル40セントの支払いで,10ドル紙幣を2枚だそうと思っていたのだが,僕はお釣りの計算がとても苦手であり(過去に999円の釣銭をもらったことがあるほどだ),うっかり11ドル支払ってしまった。現金しか使えない場所はほとんどなかった。路上駐車の機械もクレジットカード対応であった。

タオス・プエブロというニューメキシコ州の先住民エリアに行ったのだが,ここは電気も水道もない(けど自動車はある)。先住民の人たちが土産品を売っているのだが,なんとクレジットカードが使える。電気がないので,インプリンタを使うのだ。これは希有な体験だと思って,即座に何十ドルかする壺を購入した。ちなみに売上票は2日後にはカード会社に到着していた。インディアンの住む地域にはカジノがほぼ必ずあり,ハイウェイからよく見えた。

ID

お酒を注文する時に,IDを見せなければならない。会議のレセプション(立食パーティ)でも,バーでパスポートを見せ,手首に印となるラベルを巻かれた。バーベキュー店(バー形態だったけど;後述)でも最初にパスポートを提示した。そして,ちょっと高いスペイン料理店でのディナーでも,着席して,ウェイターにワインを注文すると,「IDをお見せ下さい,変なルールですみませんな」と言われてパスポートを見せた。徹底している。

調べていなかったこと

ホテルに向かう最中に,信号のある交差点があり,ずっと待っていたのだが,いつまで経っても歩行者信号が変わらない。「この信号表示は『渡って良い』という意味なのではないか?」とすら思った上,周りを見ると信号に関係なく歩いていたので,そんなものかと思って,手元の端末で歩行者信号について急いで調べると,なんと全部押しボタン式(押せはしない)であった。

携帯電話の充電をしようと思って,電源アダプタを取り出し準備をしたのだが,日本と同じ形のコンセントだった。どんな形でも対応できるので調べていなかった。

風呂に入りたいと思って浴槽を見ると,お湯の入れ方がサッパリ分からない。カランとシャワーの切り替え方も分からない。調べようにもどうやって調べたら良いのか分からない。
僕はコンピュータ・サイエンスの学位を持っているので,強化学習の枠組みを利用してお湯の出し方とシャワーへの切り替え方を学習した。30分かかった。

英語の問題

僕はリスニングが苦手である。東大の入試ですら,15問の客観問題は全て間違えた。アジア訛りの英語は日本訛り以外は全く聞き取ることができないが,アメリカの英語だってネイティブスピード(?)ではほぼ聞き取れない。

最初に困ったのは,デンバー国際空港で乗り継ぎの際の保安検査で,ボディスキャナーの反応があった後,TSA職員が何か言っているのだが,":@;&%$#$ pack off ;+#$+%"としか聞き取れず,"What should I do?"と聞くと"Nothing"と言われ,困り果ててしまった。結局触って確認して良いかということを聞いていたようだ。

次に困ったのは,国際会議中である。レセプションやバンケットを通じて,海外の大学院生と仲良くなれるのだが,今回はフィンランド人とインド人の3〜4人でずっとしゃべっていた。終始フィンランド人が面白いことを言っているのだが,1割しか聞き取れない。喋るのが速い。追いつかない。追いつかないのでつられて笑うこともできず,ツッコミを入れることもできず,9割方にこにこしているだけ。研究発表では,聞き返すこともできるし,分からなければ言い換えをするのだが,冗談を言い合っている時に聞き返すのは野暮だ。レセプションの後,サンタフェバーベキュー店にカラオケがあるから行こうという話になって,歩いている最中もフィンランド人が,「なぜヒスパニックのことをラテン系と言うのか」ということについて延々と話してくれたんだけど1割しか聞き取れなかったので反応できなかった。
数日後,オランダ人も混ざって3人で昔のインターネットについて話していたのだが,どうもポケモンは大変流行ったようで,「ポケモンスナップは最高だった」と言っていた。

朝食のないホテルだったので,街で朝食を食べるのだが,まず困ったのが,メニューが完結していない点である。何かを頼むと必ず"How *`$&'#$&"$$?"と聞かれてしまう。(1)卵をどうするか,(2)肉をどうするか(ソーセージ,ハム,ベーコン,チョリソーから選べる),(3)焼き加減をどうするかのどれかが聞かれる。"how"と"egg"を聞き取って内容を理解してもなお,「卵をどうするか」という質問に対する回答の選択肢を知らないので困ってしまって,"What options?"と聞き返すと呆れたように例示してくれた。
注文して料理が来たら一段落ではなかった。食べている途中に突然話しかけられる。"How's everything?"とか"Is everything OK?"とかである。ご飯食べているときに英語を生成するだけの頭はないので,"good"と答えるのが精一杯であった(し,多分十分だと信じている)。

サンタフェ

サンタフェ,というかニューメキシコ州は唐辛子が名産であり,レッドチリとグリーンチリの2種類がある。ところで,お土産を買おうと思って市中を散々歩き回ったが,食べ物は一切合切全部チリペッパーなのだ。こんなものお土産にならない。
観光客向けのお店は大量にあるのに,なんと売っているものは全て同じ。ネイティヴアメリカンの作った壺とジュエリーで埋め尽くされている。売っている物はみな同じなので,価格が違う(あっちでは50ドル,こっちでは15ドルという感じ)ので適当なものである。「壊したら買え」と張り紙をしてある棚には大量の壺がところ狭しと陳列されていた。

トイレの便器は圧倒的にKOHLERとSloanのブランドが使用されていた。トイレにこだわる日本が唯一負けていると感じたのはペーパータオルの機械だ。手をかざすとペーパータオルが出てくる。これは良い。無意味な温風を送る機械を廃止すべきだ。

アルバカーキ国際空港からサンタフェに車で向かう途中の車窓が,文字通りのクソ田舎であった。本当に何にもない。何にもないなら良いのだが,ところどころ家やお店が建っており,そもそもハイウェイが通っているのだ。そこには人がいる。しかし,何かあったとしても警察や消防が来るのに1時間くらいかかるかもしれない。そりゃまあ武装したくなるのも分かる。

物価はクソ高く,朝食に20ドル以上かかることもしばしばであった。ただ不思議なのが,オレンジジュースは安いのだ。きちんとオレンジの味がする(おそらく100%)ジュースが大体2ドル50〜4ドル。日本だと700円は下らないと思われる。

まとめ

まとめない。