逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

ブログ移行

はてなダイアリーからはてなブログへ移行した。周知の通り,はてなダイアリーのサービスが終了するからである(終了後も閲覧はできるらしい)。

そこで,僕の「ブログ」との関わりについて書いてみたい。

2000年代のインターネットユーザとして,ご多分に漏れず,僕も一通りの経験をしてきたと思っている。

2003年(小学5年)の時に,当時仲の良かった3人組でめいめいウェブページを作ろう,となった。使っていたのはYahoo! ジオシティーズだ。ハンゲームカフェスタのマイページや日記の機能が流行っているなかで自分のウェブページを持っているというのは誇らしいことであった。知識も無かったのですぐに飽きたが,中学1年のときに再興した。

僕はttp://www.geocities.jp/******/というURIがたいそう気にくわなかったので,いくつかのレンタルサーバを転々とした。HTML,CSSJavaScriptと,PerlによるCGIを学んで,これもまたご多分に漏れずキリ番を踏むと強制的に掲示板に書き込みをするような仕掛けを作っていた。

ライブドアという会社が注目を浴びたのもこの時期である。Webのlogで「ブログ」という紹介がされるサービスが流行りだしたのもこのくらいだ。ブログと言えばライブドアという感じだった。新しいものが好きだった僕はあちこちのブログサービスにアカウントを作った。

Yahoo! ブログは自由が利かない。FC2は自由すぎてどうしたらいいか分からない。SeeSaa独自ドメインが使える。そしてはてなダイアリーギークっぽい。こういう印象だった。

Gmailが招待制のころだ。パソコン部(中学の掃き溜めみたいな部活(他のメンバーにとても失礼な感じだが,僕の学年はやたら人が集まってしまってある程度盛り上がっていた))で隣の席に座っていた友人に教えてもらって,招待状交換サイトに登録し,Gmailのアカウントを手に入れて悦びに浸っていた。ニコニコ動画は夜になると使えなくなった(アカウントの登録番号が早い人が優先的に使えた)。夜はYahoo! メッセンジャーMSN Messengerで雑談をした。

2007年(中学3年)の時に有料レンタルサーバを初めて契約して,さらにドメイン名を取得した。ブログを自分の借りているサーバで運営し始めた。高校生になったら,毎日日記をつけようと決めた。

決意通り,僕は高校に入ってから,公式に学校のある日はほぼ全て日記をつけた。全世界に公開はされているが,自分しか知らないURIで。毎日家に帰る途中,携帯電話からメールでその日あったことを投稿した。数学Ⅰの「Ⅰ」が文字化けした。その日記はサーバを一昨年に解約したのでもう見られない。どのブログも三日坊主で続いたことはなかったが,3年間平日と長期休み以外はほぼ毎日更新したという経験はとても斬新だった。そこで,大学に入ったら新しくブログを作って,毎日記事を書こうと決意したのだった。

その決意は,大学に落ちたために履行されることはなかった。ただ,ブログのタイトルだけは決まっていた。高校1年の数学IIの授業で,恒等式の単元をやっているときに決めた。恒等式となるように式の係数を求めるのだが,必要条件でしかないため,最後に両辺の係数が一致していることを確認するため,機械的に「逆に,このとき与式は確かに恒等式になる」と書くのだと言われた。「逆に,このとき与式は確かに恒等式になる」という響きが滑稽でたいそう気に入ったのだ。そうだ,これをブログのタイトルにしよう,と思ったのである。

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(東京書籍「数学II」P.40)

 

結果的に,2011年3月から,今日に至るまで約7年半続いている,自己最長のブログとなっている。そして,「ギークっぽい感じ」のはてなダイアリーから「キラキラした」はてなブログへ移行するのは何とも複雑な心情だが,サービスが終了するので仕方ない。

他のブログは全て黒歴史となっており,随時一定の措置を執っているが,自分でも存在を忘れているブログも多く,まさにネット上をさまよう○○となってしまった。

特に役に立つようなことを書くでもなく,思ったことをつらつらと書くスタイルはブログの本流であると心得ているが,それでも何人か好んで読んでくれている人がいるようで,細々と続けるには十分力強い動機を与えてくれている。それにしても,ブログを続けるコツは,「読んでもらおうと思わないこと」である。まさしくログであり,「あのとき何を考えていたか」を自分でたどるためのものなのだ。ではなぜそれを公開するのかって? それは個人がウェブページを作っていた頃からの謎であり,自明すぎてもはや誰も解答を持ち合わせていないのである(「○○すぎ」という日本語はこのように使うのが正式である)。