今年度の学振DCは研究費増額!(多分突然の100億予算増のおかげ)
よく知られているように,学振の研究費と奨励金は予算が別枠である。前者は科研費だが,後者は特別研究員の予算である。
特別研究員制度は,事業仕分け以降予算がどんどん減らされているが,科学研究費補助金は,昨年末に突然予算が100億増額されたこともあり,必ずしも減額傾向ではない。
学振DCは,応募者数が増加していることもあり,ここ数年の傾向に従い,採択率は減少した(ついに20%を切った)。
ところが,研究費は予算が別なので,増えることもある。2018年度までの様子はこちらに書いた。
さあ,今年はどうか。本日,情報が公開されたので,早速分析した。
DC1 | DC2 | |||
2018 | 2019 | 2018 | 2019 | |
500,000 | 1 | |||
600,000 | 1 | |||
700,000 | 1 | |||
800,000 | 2 | |||
900,000 | 2 | 58 | 60 | |
1,000,000 | 2 | 2 | ||
1,100,000 | 5 | 25 | ||
1,200,000 | 4 | 1 | 3 | 1 |
1,300,000 | 28 | 24 | 5 | |
1,400,000 | 1 | 4 | ||
1,500,000 | 1 | 2 | 417 | 2 |
1,600,000 | 4 | 7 | 2 | 1 |
1,700,000 | 80 | 358 | ||
1,800,000 | 1 | 1 | 2 | 16 |
1,900,000 | 1 | 1 | 410 | 100 |
2,000,000 | 2 | 6 | ||
2,100,000 | 2 | 105 | 394 | |
2,200,000 | 235 | 1 | 2 | |
2,300,000 | 1 | 127 | ||
2,400,000 | 1 | |||
2,500,000 | 45 | 195 | ||
2,600,000 | 1 | |||
2,700,000 | 4 | 4 | ||
2,800,000 | 301 | 52 | ||
2,900,000 | 1 | 3 | ||
3,000,000 | 1 | 7 | ||
3,100,000 | 68 | 287 | ||
3,200,000 | 1 | |||
3,300,000 | 3 | |||
3,400,000 | 105 |
特筆すべき点は以下の2つ。
- 特別枠(DC1では310万円以上,DC2では210万円以上,ただし人文系で70万円~90万円は見えない)の割合が,DC1で56.9%,DC2で47.7%となった。これまでの推移は,DC1が,14.6%→15.7%→11.1%→9.7%で,DC2が,13.3%→12.9%→9.9%→9.6%である。そして,あらゆる学振ブログに書かれている「通るか分からないが特別枠で出しておけ」というアドバイスに従う人は多いということも分かった(申請した額より多く内定することは考えにくいから)。
- 訳の分からん低額がなくなった。過去には,DC1で30万円という内定額もあった。