逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

ポスターセッションは楽しい

議論は,お互いが持っていたものをぶつけて,お互いが持っていなかったものにたどり着けるので楽しい。ポスターセッションで研究発表をすると,こちらが思ってもみなかったことをぶつけてくれる人がいて,その場で考えながら対話を繰り返し,意外な着眼点を得ることができるので,最近はポスターセッションが好きである。

今回,研究所の一般公開があり,自分も出展した。研究者向けのものではないので,いかに分かりやすく概要を伝え,面白いこと,役に立つことをやっていると理解してもらえるかが勝負だと思っていた。実際には,色々な業界の方が来て,それぞれの立場からツッコミを入れていただいたことで,想定以上に深い話をすることができ,とても有意義だった。

人文系の研究者や,教育関係者,翻訳家の方が印象深い。

以下,そのやり取りの一例である。

客「機械学習って何ですか。」
僕「それはつまり、機械学習の学習機会が十分に担保されていないということですね。」
客「確かにそういうことになりますね。」
僕「従いまして、債務名義を取得して機械学習の基礎を差し押さえて頂くしかありません。」
客「それって確定判決と線形代数が必要ですよね。」
僕「ええ。」
客「なるほどよく分かりました。」

 

客「これはAIが使われているのですか。」
僕「はい。このポスターはAdobe illustratorで作られていますが、拡張子がaiです。」
客「するとこのポスターの新しい点はどこですか。」
僕「はい。このポスターは漢字タイポスが使われている点が新しいのです。」
客「おお、なるほど! つまり、データセットと評価指標を作って適切にタスクを定式化しないと機械学習を適用しようがないということですね。」
僕「その通りです。」
客「よく分かりました。ありがとうございます。」
僕「ありがとうございます。」

 

客「研究について説明してもらってもいいですか」
僕「もちろんです。できるけど誰もやっていないことをやるのが製品開発だとすると,研究というのは,できないことをできるようにすることです。」
客「できないことはできないのでは?」
僕「そうですね。厳密には,できないことが分かっていないこと,ですね。」
客「ああ...いや,今のお話を聞いていて思ったのですが,これは別に英語に限った話ではないんですよね。」
僕「その通りです。この技術基盤自体は言語非依存なので,データがあれば適用可能だと思います。」
客「要するに東大と国立情報学研究所は歴史的に密接な関係にあると。」
僕「元々NIIは東京大学情報図書館学研究センターでしたから。」
客「ああ,なるほどね。なんか,全体的に帰納的な感じですよね。」
僕「論理的にこうであると強く言えないのは確かにそうなんです。」
客「これは科学なんですかね?」