逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

選挙特番を選挙前にやったところで何の意味も無い

「選挙特番を選挙後にやるな」などと言っている時点で政治に関心はなくどうでも良いと考えていることがよく分かる。そんな人間が選挙前に特番を見ることができたとしても,投票先の選択の役には立たない。

テレビだけでなく,インターネットに溢れている政策一致度を測るゴミアプリも同様なのだが,そこで取り上げている政策が関心を持ちようのないものばかりなのだ。

政治政策というのは結局行政府に何をさせるかということだが,行政府は何でもやる。安倍総理大臣がこの間「総理なので森羅万象すべて担当している」と発言して話題になったが,これは全くその通りなのである。従って,自分の興味のあるところから政治に近づくのが正しいのだ。

毎度毎度,選挙の度に憲法改正が争点であるかのような口ぶりで報道がされるが,もう完全にどうでも良い。何をどう変えるかという話が一切されていないのだから,検討の余地がない。2000万円問題も至極どうでも良い。だいたい,年金に関する問題は政治の問題というよりも人口構造の問題なのだから,誰がやっても似たような結果にしかならない。

政治家の仕事は憲法改正と年金だけであると言わんばかりの報道ぶりだった。こんなことでは,選挙前に特番を放映したところで,普段興味のない政治に関心など持てるわけがないだろう。

さて,政治は森羅万象を対象にするから,政治に興味がなくても,興味のあることから政治につなげることは難しくない。

例えば,スポーツが好きならばスポーツ庁という文科省の外局があり,そこでどんな政策をやっているのか見てみると面白いだろう。この点,関わっている政治家がどのようなことをしているのか調べることもできるし,面倒なら電話して聞けば良い。

あるいは例えば,JASRACが許せなくて仕方がないとしよう。著作権法文化庁の管轄である。著作権法は昨年改正されたが,どう変わったか知っているだろうか。法律が変わったということは,賛成した議員や反対した議員がいたはずである。どんな議論がなされたか調べる価値はある。

ほかにも例えば,ワインとチーズが大好きだとしよう。チーズには大変高額な関税が掛けられていたが,今年の2月に日欧EPAが発効し(チーズだけに),段階的にチーズの関税が下げられることになった。ワインに至っては,即座に関税ゼロになる協定である。この協定は,自民・公明・維新などが賛成し,立憲・国民・共産などが反対した

山ほどある政策課題を全て取り上げることはできない。しかし,個人の関心は多様である。このズレに問題があるのだ。ネットフリックスは見たい物だけ見れば良いという配信システムのメリットを存分に生かしている。我々も,興味のあることだけ調べれば良いのである。面倒に感じるかもしれないが,選挙特番を1時間かけて見る方が面倒である。1つの政策の経過を調べるのには15分くらいしかかからない。

ワインとチーズだけで投票先を決めてしまっていいのか,という声はないだろうが,当然である。自分にとって重要な課題で見極めるのが普通である。憲法のことを一生懸命考えて投票している人間のほうがよっぽどどうかしている。

おせっかいな人は,「選挙に行け!」とか「政治に興味を持て!」と叫ぶのではなく,「君の好きな○○は政治が絡んでいる!」と教えてあげるのが良いのではないか。