逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

ACL2019

計算言語学の最大にして最高の国際会議,ACL(Annual Meeting of the Association for Computational Linguistics)に参加した。会場は,イタリア共和国トスカーナ州フィレンツェにあるバッソ要塞だった。

印象に残ったことを忘れないうちに記録しておく。

 

詐欺まがいの

あまりに海外に行く経験がないので羽田空港への行き方を脳内で20回くらいシミュレーションするくらいに入念な準備をする僕は,事前の調べでイタリアではスリが多いばかりか,観光客を嵌める犯罪まがいのことがいくつか横行していることを知った。例えば,握手を求められ応じると一瞬でミサンガを結ばれて金銭を要求されるだとか,ドゥオーモを眺めて歩いていると足元に絵が置かれて踏んでしまい金銭を要求されるとかである。

そのうちの一つに,駅で勝手に道案内をするといってついていくと,道案内料を取られるというものがあるのだが,これをやられてしまった。非常に悔しい。

ボローニャチェントラーレ駅について19番線に向かっていると,突然Excuse meと声をかけられ,どこに行くのか聞かれ,有無を言わせずこっちこっちと自分の前を歩かれてしまった。ホームに着いた後5ユーロ払えと言われ,1ユーロ硬貨を渡した。

どうすれば良かったのか一晩考えたが,やはり最初のExcuse meに応えるべきではなかった。

握手と踏み絵については避けることができた。

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入国審査100人抜き

ボローニャ空港につくと,ACL参加者のナイジェリア人と南ア人が見つかり,3人で話していた。入国審査の列のなぜか最後尾になってしまい,「なぜ我々が最後なのか」「順に並べば誰かが最後になる」などと会話していると,All PassportとEU/EEA/CHに分かれるところに来たのでまとめてAll Passportの方に行こうとしたら,なんとEU/EEA/CHの下に米国や日本の国旗が描いてある。「Are you a japppanese?」と聞かれ,一人EUの方に進んだ。

EU市民の方が多いのではないかと思われるくらいの行列で,全然進まないのでイライラしていた。飛行機が35分遅れており,フレッチャロッサの予約もあったので,早くボローニャ空港から駅まで移動したかったのだ。

最後尾に並んでいると,行列を整理している役人が「Jappanese? Come」と言って誘導してきたのでついていくと,EU/EEA/CHの列は途中で2つに分かれ,EU/EEA/CH市民と,ビザ免除各国民になっていた。後者が誰もおらず,僕だけであった。よって,さっさとゲートを通ることができ,入国審査は一瞬で終了した。

ボローニャ空港のAerobusの券売機を使うと,有料で周りを囲まれる場合があるという事前情報があったので警戒していたが,誰もいなかった。

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バンケット

国際会議には人脈作りのためのバンケットがある。

今回も一人でワインを飲んでいると,しばらくして声をかけられ一緒に話をしていたのだが,突然別の人から「日本人?」と声をかけられた。

バンケットフィレンツェの伝統的な何かを出し物としてやっていた地元の方のグループなのだが,日本人がいたのである。聞けば,フィレンツェに来て28年だそうだ。

その方は,当然イタリア語が話せるのだが,英語が話せない。僕は日本語と英語は分かるが,イタリア語は分からない。そして一緒に話している研究者は日本語もイタリア語も分からない。そのためコミュニケーションが成立しなくなり,程なくして研究者の人は時間が来て帰ってしまった。

僕はその日本人の方と,同じグループのイタリア人の方々としばし歓談した。といっても,イタリア語が分からないので,日本人の方に通訳してもらいながら,ではあったが。

興味深かったのは,ラ行の発音が日本語の発音ではなくなっていた点である。流音というのは移ろいやすいのかもしれない。

それから,英語を経由しないでイタリア語を習得されている方だったので,外来語をイタリア語読みされており,とても面白かった。例えば,バルセロナスペイン語)はバルチェロナ(イタリア語)であった。スイカを立方体に切った物を「スイカのクベット」と仰っていた(英語でいうところのcube)。

ご厚意で,滞在最終日に行きつけのピッツェリアに連れて行ってもらった。この時ほどイタリア語を勉強しておけばと思ったことはない。店員と楽しく会話をするのが普通らしいのだ。ほとんど何を言っているのか分からず,非常に惜しかった。

露店の革製品は本物か?

メルカート・チェントラーレ(中央市場)の外に露店がずらりと並んでいる。主に革製品を売っているのだが,にわかにベルトでも買うかと思い立って歩いて回ってみたものの,なんとなく怪しい(ボローニャの1ユーロ以降,誰も信じられなくなったので)。

そこで急いでGoogleで検索してみると,唯一このブログがヒットした。

ameblo.jp

こちらによれば,

  1. 値段は教えてもらえないが,値切るのが普通
  2. 偽物は中に紙が入っている
  3. 本物だと示すためにライターであぶり出すがどうなんだ

ということが分かった。

露店には大量のベルトが吊されているが,1本10ユーロ,2本15ユーロと看板が掲げてある。そこで店員に,「これは本物か?」と聞くと,えらい勢いで説明しだした。

ベルトをいくつか引っ張り出して,「これは本物だ。触ってみて。こっちが偽物。」といって,同じく吊されていた別のベルトを持ってきて,違いを強調した。偽物も売ってるんかい。

さらに,「これは本物だからMADE IN ITALYとバックルに書いてある。ほら。見て。裏にも印字がある。こっちは偽物だから無いでしょう?」と言って見せてくる。そして,「これは100%レザーだけど,偽物はこれ,見て」といって偽物の断面を見せてくれたが,中に紙が入っていた。

なるほど分かった,と言って,本物の方はいくらなのか聞くと,「it's secret」と言われた。なんじゃそりゃ。しかし上記のブログの通りに事が進んでいくのでそんなものかと思って,この際買ってみようと伝えると,中に連れて行かれた。

その場で採寸してカットしてくれるのである。値段を聞く前にカットされてたまるかと伝えると,気に入らなければ買わなくて良いと言う。周りを見渡してみると,中国語や韓国語,日本語で感想が書かれていた。観光客のものだろう。結局,1本26ユーロだた,2本で45ユーロということになった。そして,カットしてくれたときに断面を見せられて,「ほら全部レザー」と言われ,さらにライターで炙られた(ここまで全部上のブログの通り)。

カードは使えないという。現金で支払うと,お釣りは財布の中から出てきた。多分,税金を払っていないのだろう。カードだと足がつく。

高いのか安いのか分からないが,これもまた一興だということで。

東京イタリアン対イタリアン

東京のイタリアンは「東京イタリアン」と呼ばれるくらい確立された料理である。言い換えれば,日本人好みの味になっているということである。

イタリアに来たら本場のそれを味わってみたいものだが,いかんせんどんな地域であれ,うまい店とそうでもない店がある。そうでもない店によって評価することは避けたいが,どこがうまいのか分からない。trip advisorやGoogleのレビューは必ずしも役に立たないだろう(だって観光客が書いているから...)。

Trattoria I due G

日本語のメニューがあるトラットリア。周辺と比べて価格が異常に安い。ペンネ・アッラ・カッレッティエラを注文した。

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うまいけど,日本で食べてもこんなもんだろう。

Osteria Vecchio Cancello

料理名は忘れたが,なんとかラグだと思う。

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うまいけど,日本でも食えそう。

あとここは海鮮が良いという触れ込みだったのでマグロの何かを頼んだが,もっと良い調理法を日本の料理人は知っているなと思った(これはもう文化差でしかないので客観的優位はないだろう)。

Osteria Pastella

スパゲッティ・アイ・フルッティ・ディ・マーレ・コン・ポモドリーニ・コッツェ・ボンゴレ・カラマリ・エ・スカンピを注文した。

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これはうまい。スパゲッティが日本のと違う。海鮮の味も良く出ている。

ちなみにカプレーゼが非常に美味しかった。

あとこの店は他の店と比べて段違いにサービスが良かった。他の店が悪いだけなのだが(きっとこれがイタリアでは普通なのだろう)。

Ristorante Brandolino

ピチ・カチョ・エ・ペペを注文した。

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ひっくり返るくらい美味しかった。

テーブル会計

事前に調べていった情報によると,イタリアもテーブル会計ということだったのだが,行った店全てでテーブル会計は例外的な措置だった。みんな好きなときに席を立って店員に会計をしてもらっていた。僕がテーブル会計を要求してしまったので会計してくれたが,クレジット端末をこっちに持ってくる羽目になっていた(だいたい,アメリカと違ってPINなんだよな)。

まとめ

データをtrain,dev,testに分けるだけでは不十分で,ランダムに分けて複数回やらないと何とも言えないということが分かった。

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Gorman, K., & Bedrick, S. (2019). We need to talk about standard splits. In Proceedings of the 57th Annual Meeting of the Asosciation for Computational Linguistics, 2786–2791.