参考書ソムリエコンクール2020過去問テイスティング観戦記その1
(ワインの)ソムリエコンクールの決勝は,テイスティングだけではない。料理との組合せはもちろん,サービスの技能まで競われる。同様に,参考書ソムリエコンクール決勝では,参考書の知識だけでなく,過去問の知識,児童生徒のレベルに合わせた参考書問題集の推薦や,やる気の引き出し方,保護者への説得に至るまで,あらゆる技能が試される。
以下は過去問テイスティングの一部である。過去問テイスティングは,過去問を見て,何年の,どの大学・学部・試験方式の問題かを当てるものである。その過程をつぶさに口に出しながら解答せねばならない。
「それでは過去問テイスティングに入ります。言語は日本語またはフランス語が使えますがどちらにされますか」
『japonaise』
「それでは過去問です」
「どうぞ」
『これは...これは数字とアルファベットの対応表に見えます...』
『この独特の対応関係は早稲田大学の理工3学部の英語だと思います...』
(おっ科目と大学まで一気に絞ったぞ...!!)
『これは...英単語の説明が英語で書かれており,当該の英単語を選択肢から選ぶ問題ですが...』
『英単語のスペルがこの表の数字と対応し,数字で選択肢が書かれている問題です』
『ですから,第5問...早稲田大学創造基幹先進理工学部の第5問,英語,』
『毎年同じ形式が踏襲されています...』
『何年でしょうか...』
『直近数年は全く同じ対応表が使われていたと思います...』
『従って,やや古めの香りがする...』
『この形式になったのは早稲田大学理工学部再編の2007年からです』
『従って2007年以降』
『(何年だ...?10年分解いたときには全部同じ表だったはず...したがって2007~2009)』
『(途中でころころ変えるだろうか?早稲田理工はずっと傾向は変わらない...)』
(黙っちゃったぞ大丈夫か...?)
『むむむ...』
「時間です」
『えー,英語,早稲田大学基幹・創造・先進理工学部一般入試の第V問,2007年。』