逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

未練タラタラ

論文投稿直後である昨年の3月にナニワ金融道を全巻読んだのだが,多分それがきっかけだと思う。4月に,突如思い立って司法書士の資格を取ろうと参考書を買ったのである。

参考書は順調に読み進めていたのだが,5月に論文がリジェクトされてしまった。これがもう大変ショックで,途方に暮れたのである。というのも,研究の方向性を変えないといけなくなったからである。

同時に,いくつかの懸念が出てきた。それは,3年で学位が取れないかもしれないということ,もし取れない場合4年目の生活費をどうやって捻出するかということ,そして学位が取れるか取れないか定まらない間に就職活動をしないといけないということである。

とにかく研究を進めないと話にならないという状況になり,気付いたら7月7日の試験日を迎えていた。なんと民法の勉強が終わっていなかった(あと民事訴訟法,商法,会社法不動産登記法商業登記法憲法,刑法がある)。受験しなかった。

試験に申し込んでおいて受けないというのは,完璧主義的クズのやることであり,自己嫌悪に陥ってしまった。そして,6月の終わりにカバチタレを全巻読んだことがきっかけかどうか分からないが,行政書士試験を受けておこうと思い立ったのである(なおカバチタレは非弁行為中心の漫画である)。

行政書士試験の方が圧倒的に簡単である。故に資格を取っても役には立たないが,そんなのはどうでも良いのであった。とにかく何らかの形で自分を認めてもらいたいという気持ちが強くあり(それは論文が落ちたから),また4年目の資金の工面という側面もあった(前言と矛盾するようだが,資格があればアルバイトくらいはできると踏んでいた)。

国際会議から帰ってきた8月上旬,試験に申し込んだ。参考書はテキスト(なんと1冊である),判例集,問題集の3冊を購入した。

ところが,8月から研究が一気に進んだのである。9月に入るころには論文の形になっていた。こうなると研究が優先である。

結局,試験前日の土曜日に焦ってテキストを読んだのだが,問題集や判例集は手つかずとなってしまった。しかし受けないというのはクズのやることなので,重い足を引きずって受けに行った。

民法はともかく,ほかは全然分からないし,記述については全て意味不明で,これはさすがに無理だったと悟った。試験は3時間だが,2時間ちょっとで切り上げて,退室した。普通,自己採点のために問題用紙は持って帰るのだが,それもしなかった。そしてそのまま研究室に向かった。

12月の頭に論文を投稿し,その次のネタも既にあって,研究もなんとかなりそうだという雰囲気になり,もう忘れていたのだが,1月になって通知が届いたのである(そりゃそう)。

まあまあ良い点だったら来年も受けようかななどと思って葉書を開いてみると合格していた。あっけないものだ。何ふぁぼもらえるかなと思うくらいだった(329ふぁぼついた)。

2月に論文は無事採択となり,次の論文も執筆中であり,その次のネタも実験が進んでいる。資格が生かされることは来世までないだろう。