逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

卒業式に一度も出られず

 学部,修士,博士と3回機会があったのに,卒業式に出ることはかなわなかった。というのは,学部の時に既に博士に行くことを決めており,卒業式は最後の1回だけ出れば良いと考えていたからである。今年の卒業式は代表者のみが参加し,それ以外はインターネットで配信を見る形式であった。そもそも卒業式などというのは幼稚園のときからそうだが,学校長来賓その他の話を聞いて終わりなのである。この話自体は無意味で,ただ式典という形式そのものに趣を見出すことに意義がある。従ってオンラインではほとんど目的を達成できないのである(平たくいえば,安田講堂でなければ卒業式を執行する意味がない)。

 さて,無事に博士号を手に入れることができた。感慨はない。やはりピークは本審査のときではないか。博士号を手に入れるステップには「おめでとうポイント」がいくつもある。

  1. 博士論文の提出時
  2. 博士論文の審査合格時
  3. 博士論文最終提出時
  4. 博士の学位授与時

 理工系の課程博士では,提出してしまえばもう学位は取れるだろうという推定が働くので,1の時点でそれなりにめでたい。とはいえ,審査の結果によっては半年くらい授与が延期になることもあるので,2の時点で学位授与の時期が確定するからこちらの方がめでたい。そうはいっても最終的に博士論文を図書館に提出しそびれれば要件を満たさないから学位はもらえない。最終提出を以て学位を受け取る要件が揃ったと考えられるのでめでたい。4は実際に学位が授与されるのでめでたい。

 しかし,やはり2が決定的であるから,最もめでたい。それに,新生活の準備などで修了などしている場合ではないという焦りがあるから,感慨に浸る時間もない。学位記も東大は学部・修士と同じデザインなのでなんとも新鮮味がない。それに比べると製本した博士論文は重厚感があってとても良い。本郷キャンパスは写真撮影の大群がひしめいていたが,この盛り上がりはアカデミックガウンを着て写真を撮る唯一の機会であることによるものにすぎない。

 ところで,このブログは10年前東大・東工大に落ちて浪人が決まったことをきっかけに始めた。東大にいる間書き続けてきたが,これで東大を離れるので,このブログも終わりである。この後月末にかけて,インターンシップや就職活動について振り返りの記事を書く予定である。新しいブログは既に始めているので,読んで下さる方は引き続き宜しくお願いしたい。