逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

マイナンバーを手に入れたのでシステムの解説をする

土曜日にマイナンバーの通知の不在票が入っていたのだが、翌日再配達ができない仕組みなので、郵便支店へ取りに行った。
不在票と、印鑑と、身分証の3点で受け取れる。郵便局に入ると、大きく「マイナンバー受け取りはこちら」と書かれていたので、迷うことはなかった。
不在票を渡し住所を述べると、郵便局員が奥の部屋から通知を持ってきた。総務省からのメモも同時に受け取った。

下調べの段階で、個人番号カードを証明写真機で取得できると知っていたので、そのまま家に帰るついでに証明写真機に入り、個人番号カードを申請した。
手続は簡単で、画面の指示も大変丁寧である。個人番号カード交付申請書の左下にQRコードが印字されており、それを備え付けのバーコードリーダで読み込むだけである。あとは、写真を撮られて終わり。データが自動的に送信される。料金は写真代の800円のみ。

個人番号カードの受け取りは、区役所まで出向いて行わなければならない。その際に、現在使っている住民基本台帳カード(写真付き)を返却することになっている。約3年半、身分証として活躍したこのカードともお別れである。特に思い入れはないが。


今回は、デフォルトで電子証明書が発行される。要らない場合は証明写真機で変更ボタンを押さなければならなかった。
現在使っている住基カードにも、僕は電子証明書を入れてある。結局使わなかったが。
今後は、マイナンバーポータルサイトも提供されるようだし、積極的にも受動的にも電子証明書を使う機会が増えるだろう。

マイナンバーに関わっている(?)先生の授業を聞いていたこともあって、マイナンバーを元に提供されるサービスには興味がある。
1億人規模の行政サービスのICTによる一本化の事例は多分他にない。今まで様々な官公署で様々な書類を揃えきった上で行わなければならなかった諸手続が、番号一つでできるようになるというその利便性を、早く感じたいものである。「お役所仕事」もコンピュータが勝手にやれば、「お役所仕事」ではなくなる。


ところで、住民基本台帳の番号は、一体何のために作ったのだろう。国民総背番号制だとボコボコに叩かれた住基ネットが懐かしい。

今回も、マイナンバー制度に反対する人たちが沸いている。それは結構なことだが、主張が読み取れない。
人間に番号を付けるということにたいする根本的な嫌悪感があるのではないかと思っている。行政が気にすることではない。
後は、個人情報の問題である。

漏洩リスクは常にある。

理解できないのは、「あらゆる情報が1つの番号で管理されるから、番号が流出すると被害が大きい」という主張である。

今回の制度は、縦割り行政を横に繋ぐために、本人を一意に特定する記号が必要であるという観点から作られている。
従って、それぞれの官公署が管理する個人情報に新たに個人番号の欄が追加されるだけであって、それぞれの情報が流出したときに生じる問題の大きさは、変わっていない。

続いて、1つの番号という部分だが、各官公署は、これまで氏名や住所を用いて本人を特定してきたのを、番号に置き換えるだけであるから、1つの番号を用いているからと言って、漏洩リスクは変わらない。これまでも、氏名と住所が漏洩すれば、病歴だって納税額だって調べることができたのだから。

そもそも、個人番号を入手したところで、データベースへのアクセス権限がなければ、情報は手に入れられないし、集約したデータベースは存在しないのだから、税務署、市役所、年金事務所などのデータベースにそれぞれアクセスしないと、全ての情報は得られない。つまり、全官公署が同時に個人情報を流出させる必要があるが、そうなった場合、マイナンバーの有無に関係なく氏名と住所で紐付けは可能である。

今までは、いちいち住民票や戸籍謄本を取得して提出していたのを、番号に置き換えただけである。

そうなると、個人番号カードの紛失リスクが生じるが、これは運転免許証や健康保険証の紛失リスクと変わらない。これらも本人確認に使われてきたのだから、盗まれれば住民票でも税証明でも取得し放題である。

残る不安は、正当な権限を持った官公署の人間が、不必要にマイナンバーを使って個人情報を集めないか、ということである。
これは当然に解決されていて、どの官公署がいつ何の目的で他の官公署の個人情報を取り寄せたか、本人に通知されることになっている(そのためにマイナンバーポータルサイト「マイナポータル」が作られる)。不審な動きがあれば総務省か第三者委員会に通報すれば良い。


結論としては、行政手続の利便性が向上するのに、個人情報の漏洩リスクは今までと同じであるから、手放しで喜んでいる。


見逃している脅威があれば挙げて頂けるとありがたい。