逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

社員さん

「社員さん」という単語を、インターンシップ周辺からよく耳にする。とても気持ち悪い。なぜ気持ち悪いのか、論考しなければならなかった。今日がその時だ。

さん付けについて

「さん」は敬称であるから、人名に付けるのには問題がない。この敬意が広く適用されて、役職につけてしまうことがあるが、これは間違いであるとされている。なぜなら、役職そのものが敬称だからである。すなわち、「山田さん」は許容、「山田部長」も許容、「山田部長様」は不可である。

「社員」は役職か

僕が「社員」という言葉を使うときは、商法、会社法一般社団法人及び一般財団法人に関する法律特定非営利活動促進法などで定義される「社員」なのだが、ここでは、社会通念上の会従業のことを略し間違えて「社員」と呼ぶことにする。
この定義だと、商法、会社法、(略)上の社員とは真逆の立場になるので、上場企業クラスであれば、次長以下である。
さらに、係長でもいいから役職に就いていれば、「係長」と呼べばよく、「社員さん」という表現は出てこない。つまり、役職のない従業員に対して「社員」を使っていることになるから、「社員」は役職ではない。

名前を出さないあるいは出せない

わざわざ名前を出さないといけない文脈を除けば、「部長が〜〜」「社長が〜〜」で済むところ、「社員が〜〜」では(敬称ではないがために)上司の愚痴である。そこで、匿名化に敬意を表する手段として、通常の敬称が存在する。「社員さん」は自然な流れで作られうる表現である。

類似表現

「お隣さん」「おまわりさん」「駅員さん」など、敬称を含まない一般名称(ただし人間を指す)に対して、「さん」をつけることは、そんなに違和感のあることでは無い。では、あの「社員さん」の気持ち悪さはどこから来るのか。

平板アクセント

答えは発音にあった。
インターンシップ周辺と、ICTの領域の人間は、かなり重なっている。
どういうわけか、ICT業界の人々は、「Ruby」「Java」「セグメント」「コンパイル」「モジュール」などといった言葉を、英語とは異なるアクセントで発音する。日本語の外来語アクセントとも異なる。それが、平板アクセントである。
Ruby」と「ルビー」の指輪の発音は本来は同じである。ところが、専門的な領域では、アクセントが平板化してしまうのである(参考:http://www.ninjal.ac.jp/publication/catalogue/kokken_mado/09/04/)。
にわかに業界に首を突っ込んだために(ただでさえICT業界は進歩が早いのに、さらに無理して2週間や1ヶ月で詰め込む)、日本語全体がアクセント平板化の影響を受けてしまったのである。その影響で、「社員」( ̄__・shine[英]と同じアクセント)という単語まで、「社印」(_ ̄ ̄)になってしまったのである。
確認のために、「社員さん」( ̄____)と発音してみると、気持ち悪さはない。
改めて、「社印さん」(_ ̄ ̄ ̄ ̄)と発音してみると、「アミノ酸」「クエン酸」と同じ発音であることに気づく。
関係各位におかれては、せいぜい「シャイン酸」を堪能して頂ければと思う。
(「各位」は敬称)