逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

COLING2016

COLING2016に参加してきた(メインカンファレンスのみ)。


僕の周辺には計算言語学界隈はおろか、いわゆる情報系の人々がほとんどいないので、この分野の外観を(今日までに僕がつかめた範囲内で)説明する。


研究者コミュニティ(≒学問領域)は、分野によって随分様相が異なっているが、大まかな合意としては、一通りの完成した研究は、査読のある雑誌に論文として掲載されることになっている(どういうわけか人文系の一部は雑誌ではなくISBNを付与して出版するらしい)。

投稿し、条件付き採択され、修正稿を出し、採択されるまでに、1年くらいかかるのが普通である。大抵のジャーナルは、投稿日や採択日を記載しているから、よく分かる。


ところが、情報科学の進歩は、どういうわけか著しいため、1年も経つとほぼ意味が無いのである。現に、最新の論文は、その年の論文を引用していることが多い。2012年くらいの論文を読んだことを報告すれば、もう少し新しいものを読んでみましょうと言われるのが常である。


すると、ジャーナルよりも国際会議の地位が高くなるということがある。国際会議であれば、どんなに長くても、投稿して3ヶ月後には採択通知が届き、半年後には発表できる。3月くらいに発表された研究は10月くらいに発表された研究に引用される。


予稿集も、予稿というよりは論文で構成されている。いわゆるfull-paperは、2カラムで10ページくらいになる。ワード数で言えば、6000語〜8000語くらいになるから、原著論文、full-paperでありうる。

むろん、20ページも30ページも割かねばならないことはあり、それこそ情報系のジャーナルが採録する。いわゆるレビュー論文(サーベイ論文)もまた、ジャーナルに載ることが多い。

スピードが問題なら、レター誌でいいではないかとも思うが、国際会議にはshort-paperというセクションがある場合が多く、これがレター誌に相当すると思われる。



さて、計算言語学自然言語処理周辺の国際会議について述べる。

まず、計算言語学会(Association for Computational Linguistics;ACL)の年次大会(Annual Meeting)が最高峰に位置する。情報系の会議は、略称を付けるのが大好きで、この会議には、ACLという略称がついている。
次に、計算言語学会の分科会(研究会?)(Special Interest Group)がいくつかあり、そのうち、SIGDAT(Special Interest Group for Linguistic Data and Corpus-based approaches to NLP)というのが、Conference on Empirical Methods in Natural Language Processing(EMNLP;イーエムエヌエルピー)というのを開いている。
また、計算言語学会の、SIGNLL(Special Interest Group on Natural Language Learning)が、Conference on Natural Language Learning(CoNLL;コヌル)というのを開いている。
さらに、計算言語学会の北米支部North American Chapter of the Association for Computational Linguisticsと、欧州支部European Chapter of the Association for Computational Linguisticsがあり、それぞれ同名の会議を開いている。前者はNAACL(エヌエーエーシーエル;ナクル)、後者はEACLという略称で呼ばれる。

あとは様々なワークショップが開催される。


次に、国際計算言語学委員会(International Committee on Computational Linguistics;ICCL)が、International Conference on Computational Linguisticsという会議を隔年で開催している。略称が被るかと思いきや、こちらはCOLING(コーリング)と呼ばれている。


他にもアジアの団体が主催するIJCNLP、PACLIC、PACLING、メキシコの団体が主催するCICLing(シクリング;サイクリングではない)などがある。


国際会議には、ジャーナルと同じようにランクが存在する。主観的なものではあるが、国際会議のランキングは、オーストラリアのCOREという団体がきちんとやっているので、これを参考にする。

Core Rank Conference Note
A* ACL
A NAACL ACLが北米開催のときはやらない
A EMNLP
A CoNLL
A EACL 3年に1回である上に、ACLが欧州開催のときはやらない
A COLING 隔年
B IJCNLP
B CICLing
B PACLIC
B PACLING

ランクAまでの会議であれば、まあいいよねという雰囲気がある。
ACL・NAACL・EMNLPの3つをまとめてトップ会議と呼ぶ雰囲気がある。ACL, NAACL, EMNLP > CoNLL, EACLと思っている人は多い。




前置きここまで。

COLING2016が大阪開催なので、行かせてもらえた。


こうした動きに適切なキャプションを付ける研究が為されている


corporationをcooperationに直す文脈依存文法誤り訂正(context-aware grammar collection)である。


取ったホテルのベッドが硬くて眠れず、疲れた。