逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

コロナ禍,コロナ疎開,手続き

転送不要・本人限定受取・簡易書留を受け取る

 こっちに来たのが,ちょうどKyashのカードが発送された日で,どうやっても受け取れないことになってしまった。そこで,郵便の転送をかける(転居届による)前に,別の郵便局で受け取るようにした。不在票がなくても,番号が分かれば良い。

 郵便局も窓口で,住所の分かる身分証明書を出せば受け取れる。一時的に退避しているだけであり,住民票を移していないので身分証明書の住所は変わっていない。住民票を移したのであれば,堂々と住所変更して最初から移動先に送ってもらえば良い(クレジットカード系は不正防止のため住民票の住所を要求するのでここが面倒)。

運転免許証の経由更新

 東京都に住所があって,他道府県で運転免許証の更新を行った。

 制度上,優良運転者(ゴールド免許)であれば(これは更新後がゴールド免許であれば良い),経由更新という制度が利用できる。現在,警視庁は経由更新を停止しているが,これは住所地が他道府県である者が,警視庁管内で更新できないというものであって,住所地が東京都である者が,他道府県で更新する分には問題ない。これは少し考えれば当然のことである。要するに,コロナで免許センターに人が殺到するのを防ぐためで,他道府県からわざわざ都内に来ないでほしいということである(尤も,実際に経由更新をする人間は住民票が都外にあって都内で一時的に生活しているのであるから,むしろ東京から外に人を移動されることになるので,逆効果と思われる)。

 経由更新は,制度上,「適性検査」と「講習」を住所地でない場所の警察本部(公安委員会)が行って,その結果に基づいて,住所地の警察(公安委員会)が免許を発行するものである。よって,僕の場合,愛知県で適性検査(視力検査)を受け,愛知県で講習を受け,東京都で免許証を発行してもらうことになる。これもちょっと考えれば当然のことである。

 となると,免許証の発行は警視庁(東京都公安委員会)が行うから,手数料は東京に払うことになる。しかし,「視力検査」と「講習」は愛知県警察本部(愛知県公安委員会)が行うから,手数料は愛知に払うことになる。これに加えて,免許証を東京で受け取るのではなく,愛知で受け取るためには,郵送の手数料も支払うことになる。

 面倒なのは,次である。愛知県にいるのに,どうやって「東京」に手数料を支払うのか,である。東京都と広島県以外の道府県では,「収入証紙」を購入すれば良い。これは収入印紙などと同じで,買えば済むものであるから,面倒でも往復分の書留などを使って,道府県庁とやりとりすれば買えないわけがない(このあたりは勘が必要である。例えば,愛知県庁は収入証紙の郵送販売をしていない。しかし,金券ショップなどには郵送で売ってくれるところもある。また,普通現金書留で代金を送る必要があるが,現金書留だと郵便題が高くつく。そこで定額小為替を使うという手もあるが,受け取ってくれるかは売り手による)。ところが,東京都は収入証紙をとっくの昔に廃止している。パスポートの申請を思い出せば,申請書になにやら機械で印字して終わりであった。収入証紙みたいな「物」を使うとコストが嵩むから,印字すれば良いやというのは分からんでもない。しかし今回のような遠隔地で何かしようとすると「物」のありがたみが分かる(この辺は振込でも同じで,振り込んだ証明に紙の領収書を要求することが多い(大学入試の受験料など))。愛知県に東京都の会計部局の出先機関などあるはずもないから,手数料を払うためだけに東京に行く必要があるのである。尤も,手数料の納付だけなら代理人でもできるのだが,コロナ禍で東京に行きたくない人間が他人に支払を頼むのはあまりにも筋が通らない。

 そこで,手数料を払うためだけに東京に行くことになるのだが,それなら講習も受けてしまって,経由更新などしなければ良いという結論になるのが普通である。ところが現在はコロナ禍という異常事態であり,普通が通用しない。警視庁は,運転免許の更新手続は,有効期間が1ヶ月未満の方に限らせていただくと言っているのである。そして,経由更新は制度上,誕生日の1か月前から誕生日までの間にしかできない。よって,

  • 誕生日まで:東京で手数料を払って経由更新をする
  • 誕生日以降:東京で講習を受ける

というどちらかになるのである。色々な事情で誕生日以降に東京に行ける目処が立たなかったので,最も面倒な手続を取ることになった。すなわち,

  1. 誕生日までに東京で手数料を払い,「免許証更新手数料納入済通知書」をもらう
  2. 誕生日までに愛知で免許更新の手続をする

の2つである。

免許証更新手数料納入済通知書を手に入れる

 免許証更新手数料納入済通知書を出してくれるのは,運転免許試験場,運転免許更新センター,指定警察署のすべてである。混雑を避け,さっさと発行してもらうために,どの機関に出向くか。混雑を避けるという点では,試験場は論外である。府中にしても江東にしても,常に混んでいる。更新センターは,新宿と神田にあるが,新宿は間違いなく混むだろう。神田は穴場かもしれない。指定警察署は,経由更新に不慣れで手続に時間がかかってしまうかもしれない。しかしあちこちにあるし,ゴールド免許のみの対応なので,比較的空いているように思われる。

 以上の観点に鑑み,世田谷警察署を選んだ。平日の朝一ならば良いだろうと思って,向かった。8時30分から受付開始のところ,8時10分に到着した。もう既に何人も並んでいた。

 並んでいると,番号札が配られた。ここで,更新以外の方は言ってくださいと言われたので,すかさず,「経由なんですが」と言ったら,更新葉書をまじまじと見て,「えーっとつまり,他県で受けるってこと?」とよく確認された。おそらく意外だったのだろう。当然である。東京に来ているのに,ここで講習を受ければよいのに,わざわざ他県で更新すると言っているのだから。尤も,僕の免許証の有効期間では,この日講習を受けることはできないのである。

 番号札は不要ということになって,列を抜かして奥に進むように言われた。どうやら,記載事項変更などの諸手続の扱いであった。住所変更かなにかの人も来ていて,その後ろに並んだ。

 8時半になると,窓口が動き始めた。更新の人たちが順番に手数料を支払っては視力検査をしている。某Facebookで経由更新の視力検査のすったもんだが書かれていたが,東京は「欠けている方向を言ってください」と指示していた。そしてやはり,ひとり視力が足りない人がいて「これでは検査になりませんよ」と怒られていた。

 しばらく時間がかかったが,3枚綴の複写の用紙を渡され,必要事項を書き,その後お金を払うと,免許証更新手数料納入済通知書が手渡された。

免許証更新手数料納入済通知書

免許証更新手数料納入済通知書

平針で経由更新手続をする

 東京で経由更新をする場合は新宿か神田の2箇所で受付されるが(三多摩のために立川か八王子でもやるべきだと思う),愛知の場合は平針のみである。

 手続は大変スムーズだった。

 まず,試験場に入るやいなや,そのまま更新の流れに従って,暗証番号の機械で番号を設定し(どうせ東京で発行なのに意味があるのか謎),窓口で葉書を見せる。「経由です」と言うと,他の人とは異なる3枚綴りの更新申請書が渡され,講習手数料と経由手数料,1,050円を支払った。そして,そのまま横の窓口で郵送手続をするように言われた。

 郵送料は1,800円である。どうも,東京都公安委員会から一旦愛知県公安委員会(の委託先)に送られ,そこから自宅に来るように見える。いちいち書留かレターパックを使っているのだろう(当然)。

 3枚綴の申請書は,まず更新申請書として,東京都公安委員会に提出されるもので,裏面に免許証更新手数料納入済通知書を貼る欄がある(実際には東京のためだけの用紙ではないので,「住所地の収入証紙等」などと書かれていた)。次に,愛知県公安委員会が適性検査を受け,講習を受講したことを証明する書類が来ていた。3枚目は,愛知県公安委員会に対して講習を申し込むもので,愛知県収入証紙が貼られていた。

 記入が終わると,適性検査(視力検査)に進む。ここの担当者が不慣れのようで,どのスタンプを押すか迷っていた。なお愛知県では,4つのランドルト環と上下左右が例示されており,すったもんだは起きようがなかった。面白いことに,視力検査の後,確認という列に並ぶのだが,ここの職員は手慣れたもので,視力検査の間違いを訂正していた。「両眼」のところに「常時使用」のスタンプが押されていたのだが,これを「0.7以上」に変えていた。そして,適性検査合格のところに担当者印が押された(「合格」かどうかは東京都が判断するものだと思っていたので驚いた)。

 そして,「受付」に進むのだが,更新の人とはことなり,「再発行」の受付(5番)に並ばされた。ここが遅かった。例外的な手続ばかりだからだろう。並んでいたら,「あなただけ書類が違いますね,伺います」と別の職員が別途対応してくれた。ここで,暗証番号の紙,更新葉書,郵送手続の領収書,顔写真,免許証更新手数料納入済通知書,免許証が吸われた。

 椅子に座って待つように言われたのでそうしていると,途中で呼ばれて,質問票への記入を要求された。医者に運転を止められているかどうか,などのアンケートである(ふつう申請書の裏に書かれているが,経由更新の申請書にはなかった)。

 書き終わってからまたしばらく待ち,葉書と郵送手続の領収書と暗証番号の紙が返却された。やはり暗証番号の紙は要らなかったのではないか・・・?(なお申請書に暗証番号を記入するようになっている)

 そして,講習を受けて,旧免許証を受け取って終わりである。僕だけ経由更新なので,返却は最初か最後だろうと思ったら最初だったのでラッキーであった(驚きなのは,講習の30分で新しい免許証を人数分発行してしまうところである。府中なども見習ってほしい)。

 総じて平針の経由更新はスムーズである。さすがあらゆる手続をする場所であると感心した。

 3週間ほどで新しい免許証が郵送される予定である。その後,旧免許証を郵送で返却しなければならないのが通常の手続と大きく異なる点である(自宅で穴を空けるわけにはいかないが,有効期限が切れるのだから良いではないかとも思う)。

個人番号カード(マイナンバーカード)電子証明書の更新

 特許庁の電子出願システムにログインしたら,なんと電子証明書の期限が1ヶ月に迫っていた。これは非常にまずいのである。マイナポイントの手続はとっくに終わらせているから直近で困ることはないが,年明けに確定申告ができなくなる。これはどうしてもカードに証明書を入れてもらわないといけないので,区役所に行かざるを得ない。

 経験上,区役所は何区であれバカみたいに混む(これは,本当に馬鹿が集まってくるから混むのである。どういうことかというと,支所や区民センターなどでできる手続と,できない手続があるのは当然として,前者か後者か区別がつかないために,本局(言い方w)に行けばよいやと思ってわざわざ本庁に来る人間が後を絶たないからである。ここも勘所が重要である。手続の機会が多いことは支所でできるようになっているに決まっているのである。例えば,戸籍・住民票関係と国保関係は必ずできると思って良いのだ。)。ただ,経験上,区民センターと区役所本庁では事務員のレベルが違う。前者は「不慣れ」が発生しうる。

 区民センターにつくと,一通り記載台にある書類を眺め,マイナンバー関連の書類がないことを確認して,窓口に行った。電子証明書の更新と言うと,即座に書類をくれた。これは「慣れた手つき」である。そういえば,給付金の申請やマイナポイントの騒動でマイナンバーカードを作る人が大量に発生したので,近頃の職員は全員慣れたのかもしれない。

 記入を終えてから非常に待たされた。聞こえてくる声に耳を傾けると,どうやら自分の前に電子証明書の発行をしている老人がいたようである。案の定,暗証番号やらパスワードやらで揉めていた。

 自分の番が来ると,まず「共通暗証番号」を入れるように言われた。何だそれは。そんなものは設定した覚えがない。そこで,「そんなのありましたっけ。4種類全部バラバラなんですが,どれですか」と聞いた。そうしたら,その職員は先輩職員のところへ行ってしまった。どうやら「不慣れ」であった。

 どうも4つのパスワードとは異なるものらしいのだが,設定していないので,困ってしまって,とりあえず3種類全部試そうと思って,「えーっと,何回まで間違えていいんでしたっけ」と聞いた。確か3回なので,3つ全部試せば良いのである。これもまた即答できず先輩職員のところまで行って確認が終わると,「3回でロックされるので,2回目までにお願いします」と言われた。3回でロックされるなら3回試させろよと思った。

 結局一発で当てたので,その職員が安堵した。そして,利用者証明用パスワードと,署名用パスワードを入力して終わった。券面表示事項入力用と住民基本台帳用は入れなかったが,電子証明書の更新なのだから当然であった。

 マイナンバーカードについては,4種類のパスワードのうち,数字4桁の3種類のパスワードについては,同じものを設定するよう案内する運用がなされている(それもそうである。一体誰が異なる番号を設定するというのか。僕である)。故にバラバラの人が来ると役所の人も驚いてひっくり返ってしまうのである(実際には,大阪と違って東京ではコケることはせず,内心ひっくり返るだけである)。

怒りを鎮める4

 今日はカチョ・エ・ペペが上手く作れたので良かった。それから桃を食べた。

 果物は良い。野菜などと比べると少々値は張るが,季節が終わるギリギリのところだとなんとか買える。いちごも5月に入れば100円くらい値が下がる。これからは巨峰,梨,柿である。枇杷をいくらでも食べられた頃が懐かしい。

 

怒りを鎮める2

 3月から今日に至るまで,ほぼ毎日スパゲッティ類を食べているが,ボンゴレ・ロッソをやるのは初めてだった。トマトソースの在庫が切れたので,作るついでにやった。そういえば,少しずつだが玉ねぎを切るスピードが向上している。

 どんなレシピを見ても立派なアサリを使っているが,僕はあさりむき身(冷凍)である。アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノの要領でニンニクと唐辛子の香りをオリーブオイルに移した後,ろくに解凍もせずあさりをぶち込んで白ワインをかけてそのままフタをする。これでいつものボンゴレ・ビアンコだが,ここにトマトソースを加えた。見た目だとちょっとトマトソースが少ないなあと思ったのだが,そもそもボンゴレ・ビアンコとして成立しているはずなので,味に問題はなかろうと思ったが,これが予想以上に美味しかった。

 

 昼からはサークルの会議。大学9年目にしてまだサークルにコミットしているのは東大中を探しても僕とあと99人くらいではないだろうか。コロナの影響で活動が全くできていない。これまで奇跡的に会が存続してきたが,ついになくなってしまうかもしれない。1年生に話を聞いてみると,入学前からテレビの影響で当会を知っていたと。感慨深いものがあるが,団体ごとなくなりそうな状況なので喜べない。

 

 今日楽しかったことはこのくらいか。

怒りを鎮める1

 あまりにも腹が立ち,怒りが収まらないので,収まるまで,その日良かったことを書くことにする。

 かねてより書類の山に暮らしているが,今後のことを考えると今のうちに整理しておくことが望ましい。そこで,大量の文書を効率よく電子化するため,ドキュメントスキャナScanSnap iX1500を購入した。

 価格.comの最安値が42,500円くらいで,まあいいかと思ったのだが,よくよく考えてみると楽天経済圏に移行していたのだから,こちらでどのくらいポイントがつくか確認した方が良いと思って見てみると,どうも5,500ポイントくらいは付くようであった。当然,楽天の方が値段は高いのだが,ポイントを考えると40,000円くらいになるので,こちらで購入した。

 一昨日に届いてから早速使っているが,これが快適である。まず,何より,速い。速すぎて,スキャン中に他の作業ができない。せいぜい50枚程度しかフィーダに載らないので,50枚ごとに文書を差し込まないといけないのだが,これが1分程度で発生するのである。

 次に,カラーモードの自動検出が良い。白黒のプリント類から,手書きのルーズリーフ,カラーの模試成績表などをごちゃ混ぜにしてぶち込んでおくと,勝手によしなにやってくれる。

 更に良いのが,クラウドとの連携である。PCを起動しておく必要はなく,勝手にOneDriveの指定フォルダに入れてくれる。文字が読める場合は文書のタイトルをファイル名にしてくれる(これはそんなに使いどころはない)。PCで他のことをしながらスキャンできるということである(ただし前言の通り)。

 大量スキャンをするとなると脳裏をよぎるのは,紙質が違うことによる紙詰まりや,非定型サイズのメモなどの扱いである。厚紙もあれば藁半紙もあり,A4やB5が混ざっているどころか,切れ端のようなメモもある。ルーズリーフには穴があいている。しかし,紙詰まりはない。A4サイズの文書と一緒くたに小さい用紙も入れれば,当然傾くのだが,勝手に補正される。

 楽しいので,調子に乗ってもう2000枚以上スキャンした。

 

 今日のお昼頃,バカフォンを見ていたら,内田樹が新聞社2社から28日に安倍首相退陣となるから総括記事を書いて欲しいと依頼されたとTwitterに書き込んだという情報が入ってきた。新聞社ならばかなり確定的だろうと思った。安倍首相が退陣を発表するとまず何が起こるか。どう考えても株価が下がる。ちょっと調べてみると,外資系証券が日本株リスクとして掲げている(この手のレポートは至極役に立たないとしても)。そこで手持ちの株で,そろそろ売っても良いかなと思っていたものを後場寄り付きで手放した。ディア・ライフ(410円→570円)とテー・オー・ダブリュー(273円→312円)。

 スキャンが終わって,18時頃思い立ってニュースを見てみるとやはり退陣会見をしたと。そこで日経を見てみると300円安。売らなかった株はガクーンと下がってしまったが,利確できた銘柄があると何とも思わないものである。税引き前利益だが(NISAはとっくに枠を使い果たしてしまった……),スキャナ代くらいにはなったので満足。

 それにしても次の総理大臣は誰になるのか。アベノミクスで唯一効果のあった金融緩和だけは継続してほしいものだ(ほかは何ら結果が出なかったので好きにすれば良い)。

 

 スキャンしている過程で,高校3年生の時の成績のまとめがでてきた。うちの高校は進路指導の時にまとめて見られるよう,模試と実力考査の成績を1枚の用紙に記入することになっていた。これを見て,高3はそれなりに試験勉強を頑張っていたなと思い出された。課題ばかり多く,基礎を顧みる余裕も与えられずただただ走りきって失敗した……だんだん腹が立ってきたのでここまで。

コロナ初期を思い出す

 もう忘れかけているので,コロナ初期に自分が何を思っていたかを書いておく(随時更新する)。

 最初にこの話題に触れたのは,Twitterで,オリンピックか何かのツイイトに,右寄りの人が「そんなことをやっている場合ではない,中国の肺炎の方が怖い入国禁止しろ!!」などと返信しているのを見かけたときであった。おそらく,1月上旬である。

https://twitter.com/search?q=until%3A2020-01-10%20%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%80%80%E8%82%BA%E7%82%8E%E3%80%80%E5%85%A5%E5%9B%BD&src=nipox25&f=live

 この時は,「ふーん」と思うだけであった。中国のどこか狭い地域で何か新しい感染症が出たということに特段の重大性があると感じられなかったのだ。よくあることの1つという認識だった。本当によくあることなのかどうかしらないが。

 1月下旬になると,ダイヤモンドプリンセス号の話題で持ちきりになった。新型コロナウイルスは,船の中に留まっており,そこから出してはならないという雰囲気だった。あの船さえ押さえ込めば大丈夫という感じだった。

 WHOが緊急事態宣言を見送ったというニュースが出た。Twitterでは大バッシングだったが,専門家が集まってまだその状態ではないと決めたのだから,やはりそうなのだろうと思った。死者もほとんどいなかったし,妥当に見えた。また,科学的には渡航制限は無意味であるとされており,日本が渋っていることに対しても問題ないように見えた。コロナウイルスは風邪のウイルスとして有名で,新型でもコロナウイルスコロナウイルスなのだろうと高をくくっていた。

 その後すぐ,WHOは緊急事態宣言を発出した。2月に入ると,AAAI-20のために研究室から何人かニューヨークへ行っていたのだが,日本に戻ってこない方が良いのではないかなどと話していた。マスクの品薄状態が発生し,マスクをするしないで盛り上がっていたが,科学的にはマスクには予防効果が無いということなので,しないでいた。

 2月中旬になると,ダイヤモンドプリンセス号から乗客が下船するということになった。下船後14日間隔離すべきではないのかと思った。研究室でもそういう話で盛り上がった。

 2月下旬になると,言語処理学会がオンライン開催を決めた。3月時点で終息していれば開催できるし,していなければ大変なことになっているはずで開催どころではないと僕は見込んでおり,故に決行してしまえば良いと思っていた(今思うとかなり理解に苦しむロジックである)ので,びっくりした。イタリアで感染拡大という報道があり,LRECに行けるかどうかという心配が出てきた。隣国フランスは徹底した対策をするだろうから,むしろ日本人入国禁止にならないかという心配だった。1週間後には,LRECが中止になるかも知れないという心配に変わった。ここから新型コロナウイルスはヨーロッパが本場という感じになった。株が大暴落し始めた。

 2月の終わり頃から,ティッシュ・トイレットペーパーが品薄になった。馬鹿馬鹿しいという感想を持った。マスクをしてスーパーに来る人が増えたが,僕は先述の理由に加えてマスクがないのでそのままだった。政府が緊急事態宣言を出すために法改正をするといいだした。前々から憲法の緊急事態条項が話題だったので,どさくさに紛れてとんでもないことをやろうとしているようにうつった。専門家に諮問もせず,いきあたりばったりで休校指示が出された。これもどうかと思った。

 3月になって株価が底をついた。色々なイベントがキャンセルになり始めた。五月祭が中止になるかもしれないと思った。つまり,5月には終息している可能性が十分にあると感じていた。人口1300万人の東京都で,1日に数人というのは追えている限り何ら問題ないという感じであった。ただ,手洗いは努めて励行した。

 3月下旬になって,これはもう家から出ない方が良いと感じるようになった。もう東京は終わったと感じた。医療崩壊の可能性が示唆された。スーパーに行くのもやめて,大量にパスタを買い込んで凌ぐことにした。志村けんがコロナの犠牲となり,世論が一気に変わった。

 4月に入って,上の階の住人の騒音に堪えられなくなって,実家の横にある離れに移動した。緊急事態宣言が出て,これを言い訳にできるようになったために,あらゆる部分で閉店や時短営業,リモートワークなどが始まった。早くても秋まで,もしかしたら年内の終息は無理,感染者数も数万単位に増えていくのだろうと思った。

ルンルンたのしい選挙

 選挙は楽しい。ただ紙に名前を書いて箱に入れるだけなのに,投票所はいつだって丁寧で厳粛であり,なんとも仰々しい感じがして愉快だからだ。

 先日,岡崎市役所で東京都知事選挙の投票をした。人生初の不在者投票であった。まず,告示日の何日か前に,区の選挙管理委員会不在者投票の書類を送りつけた。告示日の翌日には,レターパック現金送れはすべて詐欺です投票用紙などが届いた。その後,岡崎市選挙管理委員会に電話して,不在者投票がいつできるか尋ねると,開庁時間ならいつでもできるということだった。そして,投票に向かった。

 不正防止のため,封筒は選挙管理委員会で開けることになっている。そこでまず本人確認をされた。普通選挙では投票券がある場合は本人確認をしないのに,ここではマイナンバーカードなどを提示する必要があるかもしれないとワクワクしていたが,なんと封筒の中に個人情報が書かれているようで,それを職員が見ながら,氏名と生年月日で本人確認がなされた。次に投票に移った。常設の投票記載所があって,そこで投票用紙に候補者の氏名を1つだけ書いた。選挙は大変厳格なので,3人の職員が手続を確認していた。投票用紙を僕が封筒に入れ,封をし,表に氏名と日付を書いた。そしてその封筒を,職員が別の封筒に入れて,東京に送り返すのである。

 この一票を投じるのに,人件費を入れたらいくらかかっているのだろう。数千円くらいになるのではないかと思う。尤も,東京都の歳出額約7兆円(一般会計)を人口で除した一人あたり歳出額が約51万円であるから,丁度良いくらいではないか。

 ある政治団体が,「選挙と政治の分離」なる概念をぶち上げた。これは面白いことを言うなと思った。政治は表では理想を語り,裏では現実に向き合わねばならないが,これは表でそうしないと選挙で落選し,また裏ではそれが全て対立関係にあるからである。これは我々有権者がバカなのが原因だが,バカが多ければバカの国になり,賢者が多ければ賢者の国になり,船頭が多ければ船が山に上るのが民主政である(本当に?)。これを上手に乗り越えようとすると,選挙と政治が分離していくのだろう。そう考えると,これまでもずっと分離していたではないか。

 僕も,選挙に際しては,政策を丁寧に比較し,政策論争を聞き,自ら判断して票を投じるのが理想だと勘違いしていた時期があった。投票を除くこれらは平素に行うことであって,選挙は票を投じるだけである。だいたい,「政策を比較~」などと言っている人間には政策の比較はできない。だって2週間しかないんだから。「TOEFLの勉強をするぞ」と言っている人間がしないのと同じである。

 ↑例えばこいつは今日に至るまで8年あまりにわたってTOEFLの勉強をしていない。

 やはり,選挙は投票を楽しみたい(これはenjoy「を享受する」の誤訳である)。5分くらいのことなので,全神経を集中しないと一瞬で終わってしまう。また,たくさん下調べをして,滞りなく,できれば,前回よりも良い投票ができたと思えるような,選挙をしたい。投票所には消しゴムはないから,下手な字になってしまうと心底ガッカリである。立会人に笑顔でおじぎするのも毎回の楽しみである(今回は不在者投票なのでできなかった)。ときどき,出口調査をされるというおまけもある(これまで16回選挙に行っているが出口調査にあたったのは1回だけである)。