逆にこの時確かにそうなる。

逆に,このとき与式は確かに恒等式になる

小学生向けパソコンを考える

僕が自分用のパソコンを与えられたのは,忘れもしない,2000年12月,小学2年生の12月であった。
元々,親の仕事の都合で,家にはパソコンやスキャナ,カッティングマシンなどがあり,興味を持ちやすい環境下ではあったが,自分用のパソコンがあるというのは夢みたいなものであった(現代ではスマートフォンなるものがあるので,たいしたことはないのではないかと思われるが)。尤も,PCを買ってもらったために,これ以降大学に入って自分で買うまでいわゆるテレビゲーム機や携帯ゲーム機とは全く無縁であったのだが(周りがゲームキューブGBAで遊ぶ中僕はHSPで作られたゲームやコミックメーカーで作られたサウンドノベルをやるほかなかった)。

買ってもらったPCは,SOTECのPC STATION G3100AVXである。ここで最も重要なのは,PC STATION G3100AVがWindows 2000搭載なのに対し,買ってもらったPC STATION G3100AVXは,なんとWindows Me搭載であるということだ。

2,3日前に発表された富士通の小学生パソコン(笑)と比べてみよう。

* 今時の残念親に買ってもらう富士通の残念パソコン 僕が買ってもらったパソコン
型番 LIFEBOOK LH55/C2 PC STATION G3100AVX
形態 ノートPC デスクトップPC
価格 10万円くらい 238,000円
OS Windows 10 Home Windows Me
CPU Celeron 3865U Pentium III 1.0BGHz
メモリ 4GB 128MB
グラボ Intel HD Graphics 610 nVIDIA GeForce GTS
その他 カメラ,SDカードドライブ TVチューナ,CD-RWドライブ,DVD-ROMドライブ,フロッピーディスクドライブ,PCカードドライブ

18年も前のPCを比べること自体比較にならないが,僕はこのPCを2007年まで使っていたし,購入当時では最高スペックに近かったため,数年は何不自由なかったのも記憶している。
親には,何をやっても壊れないので,何でもやってみりんと言われたのを覚えている(インターネットに繋がっていなかったのがかえって良かったのだろう)。

あの悪名高きSOTEC製であり,かつあの悪名高いWindows Meを搭載しているパソコンを幼い頃に与えられ,それによって図らずとも教育されたらどうなるかは,読者諸賢の想像に任せるとするが,当時はフリーウェア最後の時代であり,訳の分からんソフトを雑誌からインストールしては遊んでいたのを覚えている。今では主要ブラウザとなったFirefoxも,僕は雑誌で知って,DVD-ROMからインストールしたものである(当時からOperaユーザであった)。
読者の皆様と体験を共有できるソフトは多いだろう。SoundEngine Free,午後のこ〜だ携帯動画変換君真空波動研,僕はMIDIへの理解が浅かったのでてきと〜シーケンサというソフトをよく使っていたが,Sequence Studio Liteを使っていた人も多いだろう。PsmPlayerというので着メロに変換するのであった。Macromedia Flashを買うお金はないのでParaflaを使ってみたり,PictBearにSusieプラグイン(小学生にはsusieが読めない)をぶっ込んだりしていた。ほしけん氏のHeTeMuLu Creatorは大変お世話になった。クジラ飛行机氏やonion software氏,nyao soft氏など有名な人もいた。
フリーソフト作家という言い方をしたものである。作家なのだ。プログラムはいくらでも冗長に書くことができる,丁度チョムスキーが関係詞を無限につなげることができると言ったように。


インターネットとの接続がされていないパソコンを与えられて,何ができるかというと,まるで言葉が通じぬ国に一人取り残されたのと同じように,自ら動きながら自然言語のように習得していくことになるのである。プログラミングもきちんと教わったことはなく,インターネットもなかったので,適当にコードを書いてはエラーを読みつつ進めるという方式をとっていたので,未だにスラングだらけのコードを書いている。

一番の思い出は,今となっては笑い話だが,ttfcacheの破損によって,ウィンドウの×ボタン等の表示がおかしくなり,なんとOSのリカバリをしてしまったことである。データが全て吹っ飛んで,それから大変な思いをしたのである。

これはあながち冗談として流せないのである。


小さい頃からWindows Meによる訓練を受けてきた僕は,たかが予期せぬWindows Updateごときでグダグダ言うこともないのである。




それがいいかどうかは,全く知ったことではないが。